国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

01 /25 2017

ニコ生のモーリー・ロバートソンチャンネルに出演していた伊藤祐靖氏。
初の特殊部隊を創設したという元自衛官の著書である。

とんでもなくおもしろいだった。
書評でいきなり「おもしろい」と書いてしまうなど言語道断だが、まず最初にこの言葉を発さずにはいられなかった。
自衛隊や特殊部隊というなじみのない世界で繰り広げられるエピソード、考えたこともない思想は、異様なまでに「おもしろかった」。
その生い立ちから、自衛隊入隊、事件勃発、特殊部隊創設、訓練、そして除隊。
その後のミンダナオ島の話まで、完璧なまでにドラマチックで刺激的で、深い。

同時に、その読みやすさ、理路整然とした思考にも驚かされる。
学生時代は陸上一筋で、「教科書を買うことすらしなかった」というエピソードも紹介されるが、「国を守る」ことを職業としてきた男の文章は、悩みながらも、一筋が通っており、美しかった。

生きるということ、国を守るということ、持つべき信念など、普段は考えることもない思考をめぐらすきっかけとなる素晴らしい書籍である。
ことあるごとに読み返すことになるかもしれない。

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時代の正体――権力はかくも暴走する

12 /26 2015
こちらの記事が、ネット上で賞賛されていた神奈川新聞。
メディアの質の低下が叫ばれる中で、当たり前だけども、やはり素晴らしく力強い宣言であった。

というわけで、その神奈川新聞内のいちコーナーを再構成した『時代の正体――権力はかくも暴走する』を読了。
日米安保、暴走する政府、ヘイトスピーチ、基地問題など、日本が抱える問題の数々。
しっかり勉強していきましょう。



ヒップな生活革命

10 /22 2015
ちょいちょい目にする『ポートランド』とは、こういった背景で注目を浴びていたのかと納得。
後半は散漫な印象で、「それ、別に今までもそういう人いたんじゃね?」という感じ。

アメリカ本国では揶揄される対象にもなっているというヒップスター。
しかし、大企業に巻き込まれない、一般経済から間をとった働き方には、憧れるのである。
そんな世界にいたいし、そんな働き方がしたい。
そしてそれは、もはや働くという言葉じゃないのかもね。



評価と贈与の経済学

11 /15 2014

評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)
(2013/02/23)
内田樹、岡田斗司夫 FREEex 他

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おなじみ内田先生と、岡田斗司夫の対談本。
最初は両者の違いになじめず、読みづらいなぁと思いながら読んでいた。
何の違いかというと、言葉遣いというか、視座の違いというか。
偉そうに言わせてもらえば、端的に言ってレベルの違いである。
岡田斗司夫はいいから、この内容を内田先生の著書としてまとめてくれないかな、という感じ。

しかし、この対談があったから、内田先生の言説も引き出された訳で。
他でもたびたび言及される贈与経済など、対談だからこそ引き出されたのか、分かりやすく感動的な言葉が溢れていたなぁ。
内田先生の本の中でも、本棚に置いておきたい特別な一冊となった。

私の愛するサッカーについて、こう語っていたのが嬉しかったな。

サッカーって、そういう点ではほんとうに贈与と反対給付の人類学的な仕掛けを見事に表象しているゲームだと思いますよ。人類学的な叡智をグラウンドで鮮やかに見せてくれるんですから。



街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか

07 /19 2014

街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか (犀の教室)街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか (犀の教室)
(2014/05/01)
内田樹、小田嶋隆 他

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内田樹先生による呼びかけに応じた豪華執筆陣による、憂国論。
その著書を読んだ事がない人もいたが、是非読んでみたくなる執筆陣が並んでいた。

小学校でもっとも重要とされたのは、読み書きではなく、一定の時間、たとえば、五十分間、着席していることだった。それは、農業国であったこの国を工業国とするため、そのために働く人間を作り出すため、農民を工員のマインドに変えるためであったのだ。〜高橋源一郎


といったように、我々は生まれたときから既に為政者に都合の良いよう仕込まれていたのかも。
そしてその流れはアベちゃんにより、より悪い方向へと進んでいきそうだ。

国家の株式会社化により、公共・福祉よりも利潤が追求され、不採算部門は切り捨てられていく。
格差は広がり、超富裕層だけがその犠牲の上に資産を築いていく。
事実、すでに日本の貧困率は、先進国30カ国中4位だという。

あぁ、目の前が暗くなっていく。
しかし、アベちゃんの憲法を軽んじ、民主主義を無視したような動きも、あくまで閣議決定段階だ。
大きな事を案じてもしょうがないが、次の選挙で我々の態度を見せようではないか。
あと、自分の生活をちゃんと見つめていこ。

ディス/コネクト

映画
06 /06 2014


なんとも恐ろしい。。
ただただ暗い気持ちになったわ。

それは、この物語がとんでもなくリアリティがあるから。
新しい技術と接する際に、爆発する創造力と、及ばぬ想像力と。

こうならないように注意したい、というより、俺はこんな世界から一線引きたい。
と思ったりもするくせに、今こうしてディスプレイに向かっているわけだが。
依存しないように、自分なりの付き合い方をせねばならない。
便利な側面も確実にあるわけだし。

レイヤー化する世界

05 /10 2014

レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)
(2013/06/05)
佐々木 俊尚

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IT技術が進化し、グローバル社会を迎えるこの世界の未来を読み解こうとする本。
未来を予測するまえに、過去の世界の成り立ちの理解から始めているのだが、その部分が、歴史を大掴みできて面白く、とても勉強になった。

国家という概念が生まれる前は、帝国というかたちで世界が運営されていた。
帝国というと邪悪な印象を持ってしまうが、中世以前のそれは、時代にあった世界の運営方法であったと。
権力は集中しているが、その枠内であれば、思想や宗教は自由だし、それなりに平和に生きていけた。
ローマ帝国やイスラム帝国、中国など、世界にいくつかある帝国が、ゆるやかな交易でつながり、徐々に豊かさを向上させていった。
その当時、ヨーロッパは資源も乏しく、かつ帝国に入れない、貧しく野蛮な辺境であったという。
帝国が運営する豊かさから閉め出されたヨーロッパは宗教を拠り所とし、国家という概念を作り出した。
そして同じ宗教、同じ民族であるという拠り所を武器に、強力な軍隊を作り、他国を侵略していった。
また、帝国に入れないヨーロッパは、外に向かう必要があり、結果、アメリカを発見した。
産業革命も手伝い、植民地で資源や労働力を搾取し、自国を豊かにさせる構造が出来上がった。
ウチとソトの構造である。
ソトである植民地の犠牲のうえに、ウチであるヨーロッパ諸国が繁栄する。
ソトである労働者の犠牲のうえに、ウチである資本家の裕福さがある。
そのようにして、何重にもかさなったウチソト構造で世界が運営されている。
これが国家だ。

なるほど、富の偏重が叫ばれる世界で、納得のできる話だ。
我々は、日本という国家にうまれ、この資本主義社会の中で生きてきたため、ついこのシステムがこれからもずっと続くと錯覚してしまう。
が、国家というシステムが使用されてきたのも、長い歴史のたった一部分なのだ。
各所できな臭い事件・変革が起こっているように、国家というシステムもどうやら賞味期限らしい。

これからは少数精鋭による超国籍企業が運営する場(=レイヤー)が世界を飲み込んでいくという。
例えば、iTunesという場で、どんな大物ミュージシャンも、どんなローカルなストリートミュージシャンも、宅録少年も、国境を越えて活動できる場が出来上がってきた。
いろんなレイヤーがあり、いろんな人がいろんな活動をそこで行う。

うむ、まぁ分かるけど、その未来予測はなんともぼんやりとしたものだった。
ま、自分で見つけるしかないね。




略奪者のロジック

04 /30 2014

略奪者のロジック略奪者のロジック
(2013/02/21)
響堂 雪乃

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装丁からして陰謀論めいた本であるが、これもまた一つの真実であろう。
我々はごく一部の支配者に絡めとられていると。
戦争も貧困もTPPも、ごく一部の特権階級の金儲けに過ぎないと。

しかしまぁ、こういうの読んでるとずーんと暗くなってしまう。
肌に合わない。
やはり明るく革命していくしかないね。
0円戦争や選挙フェス、みたいにね。

電力と国家

02 /08 2014

電力と国家 (集英社新書)電力と国家 (集英社新書)
(2011/10/14)
佐高 信

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「社会の仕組みを知る」シリーズと称して、こういう本を読む。
「電力の鬼」と言われ、日本の電力産業を牽引してきた松永安左エ門。
戦前の民間電力会社が切磋琢磨する時代から、国家管理となり戦争へと突入して行った時代。そして、敗戦後の電力再編時代を描き、さらには現在の原発問題へと繋げる。

安永は、「官僚はクソ」といった福沢諭吉の教え子で、その反骨精神で、電力を民間の手にと、活躍した人物。
周りにどんなに反対されようと、四面楚歌であろうと、自分の正しいと思った道を突き進む。そして、それを結実させる剛腕。
その反骨のイメージは、スティーブ・ジョブズを思い出させ、非常にかっこよく映る。
しかし、なぜこんなに自分が正しいと思えるのだろうか。
こんなに突き進める強さは羨ましい。
正しいかどうかは別として。
そして、松永とその師匠・福沢諭吉はなぜそれほどまでに官僚を嫌ったのだろう。
次は福沢諭吉の本を読んでみよう。

松永は民営を主張しつづけ、それを成し遂げた。
だがしかし、戦後の高度経済成長の波と共に原発の導入が避けられない状況となった。
そして国の影響力が徐々に入り出した。
福島第一原発の事故対応は、酷いもので、その原発を使い続けることはおろか、海外にまで輸出しようとする日本。
この事態は、真の民営が続けられていたならば、避けられたのだろうか。
それは分からないが、真の公益というものが忘れ去られているのは確かである。

take

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