最も危険なアメリカ映画

02 /06 2017

「さらば白人国家アメリカ」と同時期に発売された町山智浩さんの著書。
まったく、いい仕事をなされる。。

今のアメリカを予言するかのような映画の存在。
東京大空襲を提案したかのようなディズニー映画の存在など、衝撃的だ。

現実の社会問題を予言した映画、投影した映画、反論した映画
ただ見ただけでは分からない意味が膨大に、映画の中にあるのだ。
町山さんの解説を読むと、映画より映画語りがおもしろいと思っちゃうから困る。
そんな映画語りができるのは町山さんとその他数人しかいないから。

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データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

01 /25 2017

海猫沢めろん氏の『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』に登場した矢野和男先生による著書を読了。
腕時計型や首から下げる名札型のウェアラブルセンサで、人間の動きややり取りなどのデータを取ったら、いろいろ面白いことが分かってきたというお話。
これは、組織運営してる人ならすぐにでも導入したいだろうなぁ。
人間の頭で改善策など考えてもたかが知れてるが、AIに考えさせたら実際に業績アップしたという。
個人的にも、あとがきに記載されている「ライフシグナルズ」を導入してみたい。

ライフログを取りたい欲求というのは前からあって、その都度調べてみてはいたが、まだまだテクノロジーが追いついてないなという実感があった。
それでも、iPhoneアプリの充実により、日々家計簿をつけたり、体重を測ったり、食べたものを記録したり、ランニングアプリでトラッキングしたりはしていて、細切れのデータは蓄積していた。
しかし、データを記録すること自体が面倒であるし、集めたデータを生かしきれないということも感じていた。

ちなみに、ランニングアプリである「NIKE+」については「いい線いってるな!」と当時思ったものだ。
使用することで、ランニングへのモチベーションアップが如実に実感できたのだ。 アプリデザインがよく、NIKEのかっこいいブランディングも影響したのだろう。
そして、このアプリを使う目的「走って痩せる」にも直結しているというのが良かった。
これは、書第5章内の「ビッグデータで儲けるための3原則」にも記述されている通り、重要なポイントだ。
それは『第1の原則 向上すべき業績(アウトカム)を明確にする』ことである。
しかし、ランニングだけが痩せる要素なわけもなく、結局痩せるという効果は完璧には得られなかったわけだが。。
それはとりもなおさず、『第3の原則 仮説に頼らず、コンピュータに業績向上策をデータから逆推定させる』ことが出来なかったということにも関連するだろう。

いろんなデータを取れる方法は揃ってきた。
しかし、それとどう活かせば、生活を向上させられるだろう。
そんな疑問に答えてくれる研究を進めておられる矢野和男先生。
これからも注目させていただきます。

国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

01 /25 2017

ニコ生のモーリー・ロバートソンチャンネルに出演していた伊藤祐靖氏。
初の特殊部隊を創設したという元自衛官の著書である。

とんでもなくおもしろいだった。
書評でいきなり「おもしろい」と書いてしまうなど言語道断だが、まず最初にこの言葉を発さずにはいられなかった。
自衛隊や特殊部隊というなじみのない世界で繰り広げられるエピソード、考えたこともない思想は、異様なまでに「おもしろかった」。
その生い立ちから、自衛隊入隊、事件勃発、特殊部隊創設、訓練、そして除隊。
その後のミンダナオ島の話まで、完璧なまでにドラマチックで刺激的で、深い。

同時に、その読みやすさ、理路整然とした思考にも驚かされる。
学生時代は陸上一筋で、「教科書を買うことすらしなかった」というエピソードも紹介されるが、「国を守る」ことを職業としてきた男の文章は、悩みながらも、一筋が通っており、美しかった。

生きるということ、国を守るということ、持つべき信念など、普段は考えることもない思考をめぐらすきっかけとなる素晴らしい書籍である。
ことあるごとに読み返すことになるかもしれない。

さらば白人国家アメリカ

01 /16 2017
2016年のアメリカ大統領選を通してみた、アメリカ政治、歴史、社会を題材としたコラム集。
まったく理解不能なトランプ現象というものが、おぼろげながらも見えるようになってきます。
町山さん、相変わらず素晴らしい仕事をしておられます。

町山さんもラジオ『たまむすび』では、子供選挙の結果を根拠として、ヒラリー勝利を予想していて、予想を外すという結果にはなっていますが、書ではトランプの無敵っぷりは的確に指摘しておられる。
そして共和党の凋落っぷりも。
共和党は負けるけど、トランプは強い。
この相反する事態が、予想を見誤らせただけで、書の説得力にはまったく影響ございません。

さて、この世界はいったいどうなっていくのだろう?
トランプ現象や各地の極右化現象というのは、行き過ぎたグローバリズムへの揺り戻しだと思っています。
グローバル経済の成熟とともに、意外とうまいとこに落ち着くんじゃないかと、希望的観測を持っています。
だがしかし、それにしても、トランプ政権の閣僚人事を見るに、そんな悠長なことも言ってられないのかと絶望的な気持ちになりそうなところですが、まさにプロレスを見るような妙にワクワクした気持ちになっているのは、これどうしたもんかと思っております。


ベストブック2016

12 /31 2016
今年読んだは、全部で26冊。
ちょっと少ないなぁ〜。
しかし今年は、ニコ生のモーリー・ロバートソンチャンネルで紹介された先生方の著書を読んで、大いに学べた点で良かった。
去年だかの一時期は、何を読んでも、何を観ても、いまいちおもしろくない時期が続いていたけど、そんな時期も脱して、刺激的な読書が出来たと思います。
2017年もいっぱい読んで、学んで、楽しもう。

▼ベストブック
明日、機械がヒトになる ルポ最新科学
ちょっと選考が難しいが、このをきっかけに読みたいがいろいろ増えたという意味でこれにしておこう。
「現代オカルトの根源」「戦後史の解放I 歴史認識とは何か」なども最高でした。

▼読んだリスト
総員玉砕せよ!
猫楠―南方熊楠の生涯
生きるなんて
現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
<40男>はなぜ嫌われるか
オウム真理教の精神史―ロマン主義・全体主義・原理主義
知ろうとすること。
戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで
オキナワ論 在沖縄海兵隊元幹部の告白
ぼくはなぜ小屋で暮らすようになったか 生と死と哲学を巡って
猟師の肉は腐らない
世界史の中のパレスチナ問題
ウルトラライトハイカー
仏教思想のゼロポイント: 「悟り」とは何か
世界の辺境とハードボイルド室町時代
タープの張り方 火の熾し方 私の道具と野外生活術
服を買うなら、捨てなさい
働かないって、ワクワクしない?
はじめての人の飲食店開業塾
アイム・ミニマリスト
外道クライマー
間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに
夕凪の街 桜の国
明日、機械がヒトになる ルポ最新科学
サラバ!

サラバ!

12 /25 2016
普段、小説は読まないのだが、やたらと評判の良さを聞くし、あの又吉先生が「これを読んで、好きに生きようと思った」とおっしゃっていたので、読んでみた。

めちゃめちゃ面白かったけど、又吉先生が感じたような衝撃は受けとれないという、自分の感受性の無さが悲しい。
しかし、誰にでも思い当たる感情がバリバリ登場して、感情移入しまくりなので、何度でも読みたい作品である。

誰になんと言われようと、自分だけが信じられるもの探す。
探そう。



明日、機械がヒトになる ルポ最新科学

12 /01 2016
機械の人間化が進み、人間の機械化が進む昨今。
「人間と機械の境界線はどこなのか」という疑問をもった著者による科学ルポ。
7人の科学者へのインタビューが収録されている。

非常に刺激的でおもしろい。
アンドロイドの石黒浩氏、ビッグデータで幸せを定量化する矢野和男氏、科学的アプローチで幸福を学問する前野隆司氏。
この3人は特に印象に残った。
バリバリ最先端の科学者が、それぞれのアプローチで幸福へ迫る様子は非常に興味深い。

「人間が何かをしようと思う前に、すでに無意識に体は動き始めている」という研究結果があるらしい。
つまり、人間はただ周囲環境に反応しているだけで、自由意思などないのではないか?という話も紹介されている。
なんとも衝撃的ではあるが、そう考えると、我々の悩みなどどうでもいい気がしてくる。
さっさと環境を修正して、楽しく生きればいいだけなのだと。



夕凪の街 桜の国

11 /22 2016
『この世界の片隅に』の原作者、こうの史代さんの作品。
『この世界の片隅に』にも通ずるテーマで、アナザーストーリーとも言えるかもしれません。

現代の日で生きているということは、幸せを享受していることなのだなぁと心底思います。
幸せを噛みしめつつ、しかし、海外に目を向ければ悲惨な紛争は起こり続けているわけで。
一歩でも進歩できるように、真面目に生きていきたい。

しかし、一歩外に出れば、モノに溢れ、情報に溢れ、サービスに溢れ、物事をシンプルに考えるのが難しい社会。
余計なモノが目に入らなければいいのですが、、なかなかそれも難しいので、そんなときはこうの史代さんの作品を思い出すことになりそうです。


間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに

11 /15 2016
町山さん、水道橋博士などをツイッターでフォローしていると、書をめぐる論争が目に入ってくる今日この頃。
読書は図書館レンタルですませちゃう自分ですが(すみません)、久々に購入して読んでみました。

まぁ、全般的な感想から言うと、「どうでもいい」という一言。
ど田舎でスポーツしながら学生生活を送った自分は、大人になってサブカルというものを実感しました。
書店のサブカルコーナーの充実っぷり、ヴィレッジバンガードのあの感じ、知り合った音楽仲間の異常な知識量とウヒヒ感。
「ああ、こりゃ田舎もんの俺には育ち得ないカルチャーだな」と思ったもんです。
そんな私には、サブカルの定義とか、何がサブカルで、何がサブカルじゃないかとか、ホントどうでもいい。

ま、中森明夫や岡田斗司夫というたまに聞く名前だけど、いまいちよくわからない人物のことを紹介いただいたのは非常にスッキリしました。
サブカル界でどう位置付けられているのかがよくわかりました。

あと、私の敬愛する町山さんに関する記述については、断固反対です。
その記述とは、したまちコメディ映画祭2016内で行われた映画秘宝まつりでの、町山さん振る舞いを断罪するもの。
このイベントでは、2の映画がジャパンプレミアとして上映されたわけですが、そのうち一は不慮の事故により急逝したアントン・イェルチンの追悼上映という性格を帯びていました。
それなのに、壇上のおじさんたちの悪ふざけが、イェルチンファンの激怒を買ったわけです。
この炎上をきっかけに、町山さんは映画秘宝まつり出演は遠慮すると発言しているようですが、この件で怒っている人たちに言いたい。

「あなたがたの気持ちが分かるが、年に1回しかない映画秘宝まつりという楽しみを、俺たちから奪わないでくれ!」と。
あなたがたは、後に一般公開される『グリーンルーム』を見にいくことで何度でもイェルチン追悼できるじゃないか!
だけど、映画秘宝まつりは年に一回しかないんだぞ!
追悼上映という性格を帯びていたとはいえ、したコメの公式ページにも追悼上映などとは書いてないし、「”映画秘宝”のイベントである」ということの方が上位概念なんですよ!
たしかに、あなた方は不運に見舞われたかもしれないが、何も年に一回の俺たちの楽しみを奪うことないではないか!
そんなたまたま遭遇した不運に、愛のない正論をもって批判していたら、世の中からどんどん面白いコンテンツがなくなってしまうぞ!



外道クライマー

10 /13 2016
世界遺産であり、熊野那智大社の御神体でもある”那智の滝”を登攀(とうはん)して逮捕された、宮城公博氏の著書。
いやぁ、おもしろい。
何がおもしろいかということは、角幡唯介氏のあとがきに見事に表現されているので書かない。

ただただ冒険を求めて、御神体を登る男。
我々の信仰を冒涜されたと、冒険者の行動を制限する男。

どっちの気持ちも分かるけど、憧れるのは前者。
信仰心があるわけでもないし。
だが、信仰心はないけども、自然に対する畏れや、謙虚さを持つことは大事だと思う。
そうしたときに、よりきちんと”畏れよう”とする姿勢は、身体ひとつで自然と対峙する冒険家の方にあると思う。
熊野那智大社がそうだとは言わないが、長く続いた宗教や伝統が形骸化し、権威化していることが多々ある。
そうなると畏れや謙虚さなど置き去りだ。

自然から隔絶されることの多い現代社会で、命を差し出そうとしてまで、自然と対峙する。
その気持ちは非常によく分かるし、分からない人々には「ちゃんと畏れているか?」と問いたくなるのである。


take

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