死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日

02 /16 2016
ジャーナリスト、門田隆将氏の著書。
福島第一原発の事故から、日本を守った人たちの物語。

あのとき、何が起こっていたかがよく分かった。
最悪の場合、チェルノブイリの10倍の被害が出る可能性があった原発事故。
その場合は東北から関東にかけて、日本の3分の1の土地が奪われることになっていたという。
そんな事態から、文字通り命を賭けて戦った人たち。
日本人なら、これは読んでおかなければならない。

大地震から大津波、電源喪失、メルトダウンの危機。
不謹慎かもしれないが、その過程は非常にスリリングで、サスペンスとして一級品である。
そしてそれぞれの人間関係の中で、決死の戦いに挑む人たちの物語には涙を禁じえない。

吉田昌郎所長はじめ、所員、自衛隊の皆さまに感謝したい。



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オカルト

03 /20 2015

オカルト  現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノオカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ
(2012/04/10)
森 達也

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この前読んだ『教養としてのプロレス』に、本書が引用されていたので、読んでみた。
初めての森達也。

心霊、超常現象、超能力やUFOなど、この世にある怪しげな現象にジャーナリスティックに迫った本。
玉石混合のこの世界では、ほとんどがインチキだが、たまに本当としか思えないものがある。
と、冒頭にも書いてあり、そしてその結論は、最後になっても変わらない。
頭がくらくらするようなエピソードも数々紹介されており、何かとにかく、インチキではない、そして人類の科学の域を超えた何かは存在するのだろうと思わせる。

そしてそのような現象に、至ってまじめに科学的に解明をこころみる人たちもいるということ。
オカルトと科学という、一見相反するものが入り混じって語られていく様は、なんとも妙な感じであった。

科学で解明されていない領域というのは、もちろんたくさんあるし、「分からないから楽しい」と言い、オカルト解明に挑んでいく科学者たちはすばらしいと思う。
科学者って、本来そうあるべきなのだろう。
そう思うと、大槻教授みたいに批判一辺倒の人は、科学の最先端に切り込まない、小人物なんだろうなぁと思うw

たったひとりのワールドカップ―三浦知良、1700日の闘い

05 /12 2013

たったひとりのワールドカップ―三浦知良、1700日の闘い (幻冬舎文庫)たったひとりのワールドカップ―三浦知良、1700日の闘い (幻冬舎文庫)
(1998/08)
一志 治夫

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一志 治夫氏のサッカーノンフィクションもの、これで読了3冊目。
足に魂込めました』、『狂気の左サイドバック』と続き、いよいよ日本が初のワールドカップ出場を果たす。
完結編といってもいいかもしれない。
もちろん、フランスの地にカズの姿はなかった訳だが。

で、期待値を上げすぎたのか、スポーツノンフィクションとしてはガッカリの内容である。
全編、カズ一人のインタビュー形式で話が進んでいくので、周辺状況の説明が不十分であり、故に話に深みがない。
クライマックスでは、都並の証言なども少しでてきて、グッとくるものがあるが、それだけである。

日本代表、初のワールドカップ出場。
そして、日本サッカー界最大のスターであり功労者、カズの落選。

この2つを題材を扱うスポーツノンフィクションとしては残念な出来であると言わざるをえない。
いろいろな事情はあってこうなったのだろうが、再度執筆し、当時の貴重な闘いの記憶を蘇らせていただきたいものである。

狂気の左サイドバック

03 /26 2013

狂気の左サイドバック (新潮文庫)狂気の左サイドバック (新潮文庫)
(1997/09)
一志 治夫

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さぁ、今日はブラジルW杯出場をかけた大事な一戦、ヨルダン戦です。
この試合に勝てば、日本は世界最速でW杯出場を決めることになります。
まぁ、同グループでは、勝ち点・実力ともに他チームを大きく突き放しているので、ここで負けたからと言って、W杯出場を逃すことはないだろうし、そんなにテンションの上がる一戦ではありません・・・と言いつつも、やはりテンション上がってきますね!

さて、そんなタイミングで、くしくもドーハの悲劇を描いたスポーツノンフィクション『狂気の左サイドバック』を読了しました。
同著者による『足に魂こめました』では、カズを主役に、アジア一次予選突破までが描かれていました。
本作は、都並敏史を主役に、ドーハの悲劇までを描いた物語です。

あの時のことは、ピッチに倒れこむ選手たち、「神様…」とつぶやくラモスなどの姿が強烈に焼きついており、もはやそれ以外のことは記憶にありません。
が、まさに日本の生命線であった左サイドにまつわる苦悩が、誰にも替えのきかない存在であった都並の苦悩が描かれます。

足に怪我を抱える都並は、にわかには信じられないような非科学的な治療をおこなったり、まさに藁にもすがるような戦いを強いられます。
それが都並の持つ狂気なのか、この特別な時代がそうさせた狂気なのか…。
いずれにせよ、W杯出場を掴むための、男たちの異常な熱意が伝わってきます。

さて、時代が流れど、状況は変われど、W杯という特別な舞台をかけた戦いが今夜行われます。
先人たちの歴史に思いを馳せつつ、応援しましょう。

「足に魂こめました」 カズが語った[三浦知良]

12 /15 2012

「足に魂こめました」 カズが語った[三浦知良] (文春文庫)「足に魂こめました」 カズが語った[三浦知良] (文春文庫)
(2012/11/09)
一志 治夫

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後にドーハの悲劇へと続く、アメリカW杯アジア一次予選突破までのカズを描いたノンフィクション。
約20年の時を経ての文庫化です。

カズと言えば、15歳の時に単身ブラジルへ乗り込み、見事プロの舞台を勝ち取ったことで有名ですが、その時代のことも書かれています。
幼少期にブラジルのサッカーに魅せられたカズは、テクニックはあったけども、身体能力は決して高いものではなく、ブラジルでの成功などとても考えられなかったそう。
しかし、苛酷な環境に耐え、苛酷な遠征に耐え、成功に至ります。
一度はあきらめて日本に帰る決意をしたそうですが、片足がないのに楽しそうにボールを追いかける子供を見て、もう一度奮起し、プロとしての成功をつかみます。

あとがきで著者も書いているとおり、取材不足や突っ込み不足もあります。
なにより、無名のサッカー少年の、遠いブラジルの地での記録など、充分に残っているはずもありません。
よって、“点”の描写であり、点と点をつなぐ“線”の物語にはなっていません。
ブラジルでの必死の努力がありありと描写されているかというと、そうではない。
しかし、決して才能にめぐまれたわけではないサッカー少年が、王国ブラジルでプロになるまでに積み重ねたであろう努力に思いを馳せるのには、充分に貴重な資料でした。

文庫化にあたって加筆されたあとがきでは、いまなおプロとして活躍するカズの努力が記されます。
徹底的な食事管理など、努力の描写としてはこちらの方が凄まじく伝わってきます。
そんなカズが語る「一日一日を大事に過ごすことの大事さ」はまさしく金言。
大事なのはプロセスであり、今なのだと。

take

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