中田英寿 誇り

08 /07 2013

中田英寿 誇り (幻冬舎文庫)中田英寿 誇り (幻冬舎文庫)
(2009/08)
小松 成美

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サッカー本は、カズ、長友などを読んできた。
熱いイメージのある日本サッカー界のトップランナーだが、今回はクールなイメージの中田英寿の本だ。

内々のスタッフへの引退表明から、ドイツW杯までを追うなかで、中田の海外挑戦のエピソードが紹介される。
冒頭、突然の引退表明に困惑する著者やスタッフの様子が描かれるが、主役の中田がいっこうに出てこないので、かなり退屈で、「これ、間違ったな」とまで思った。
が、中田が登場してからはさすがに俄然おもしろくなった。

報道で漏れ伝え聞いていた、日本代表における中田の孤立の真実。
采配を疑問視されるジーコへの信頼を語る一方、トルシエ時代のとんでもないエピソード。
順風満帆に見えたフィオレンティーナ時代の話も衝撃的だ。
その後繰り返した移籍の数々。

愚直なまでに上を目指す中田には想像を絶する苦悩の歴史があったのだ。やはり。
そして中田と言えばコレ。
ローマのセリエA優勝を決定づけた1ゴール1アシスト。


ローマに移籍したものの、外国人枠のせいでベンチ入りすらもできない中田。
しかし、優勝争いが架橋にさしかかる中、突如、この外国人枠制度が撤廃。
無事ベンチ入りを果たした中田は、この活躍を見せる。

しかし、メンツすげえなwww
監督はカペッロ、アンチェロッティ。相手はジダン、デルピエロ、インザーギ、ダービッツ。
いやぁ、やっぱ中田すげぇや。

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たったひとりのワールドカップ―三浦知良、1700日の闘い

05 /12 2013

たったひとりのワールドカップ―三浦知良、1700日の闘い (幻冬舎文庫)たったひとりのワールドカップ―三浦知良、1700日の闘い (幻冬舎文庫)
(1998/08)
一志 治夫

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一志 治夫氏のサッカーノンフィクションもの、これで読了3冊目。
足に魂込めました』、『狂気の左サイドバック』と続き、いよいよ日本が初のワールドカップ出場を果たす。
完結編といってもいいかもしれない。
もちろん、フランスの地にカズの姿はなかった訳だが。

で、期待値を上げすぎたのか、スポーツノンフィクションとしてはガッカリの内容である。
全編、カズ一人のインタビュー形式で話が進んでいくので、周辺状況の説明が不十分であり、故に話に深みがない。
クライマックスでは、都並の証言なども少しでてきて、グッとくるものがあるが、それだけである。

日本代表、初のワールドカップ出場。
そして、日本サッカー界最大のスターであり功労者、カズの落選。

この2つを題材を扱うスポーツノンフィクションとしては残念な出来であると言わざるをえない。
いろいろな事情はあってこうなったのだろうが、再度執筆し、当時の貴重な闘いの記憶を蘇らせていただきたいものである。

狂気の左サイドバック

03 /26 2013

狂気の左サイドバック (新潮文庫)狂気の左サイドバック (新潮文庫)
(1997/09)
一志 治夫

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さぁ、今日はブラジルW杯出場をかけた大事な一戦、ヨルダン戦です。
この試合に勝てば、日本は世界最速でW杯出場を決めることになります。
まぁ、同グループでは、勝ち点・実力ともに他チームを大きく突き放しているので、ここで負けたからと言って、W杯出場を逃すことはないだろうし、そんなにテンションの上がる一戦ではありません・・・と言いつつも、やはりテンション上がってきますね!

さて、そんなタイミングで、くしくもドーハの悲劇を描いたスポーツノンフィクション『狂気の左サイドバック』を読了しました。
同著者による『足に魂こめました』では、カズを主役に、アジア一次予選突破までが描かれていました。
本作は、都並敏史を主役に、ドーハの悲劇までを描いた物語です。

あの時のことは、ピッチに倒れこむ選手たち、「神様…」とつぶやくラモスなどの姿が強烈に焼きついており、もはやそれ以外のことは記憶にありません。
が、まさに日本の生命線であった左サイドにまつわる苦悩が、誰にも替えのきかない存在であった都並の苦悩が描かれます。

足に怪我を抱える都並は、にわかには信じられないような非科学的な治療をおこなったり、まさに藁にもすがるような戦いを強いられます。
それが都並の持つ狂気なのか、この特別な時代がそうさせた狂気なのか…。
いずれにせよ、W杯出場を掴むための、男たちの異常な熱意が伝わってきます。

さて、時代が流れど、状況は変われど、W杯という特別な舞台をかけた戦いが今夜行われます。
先人たちの歴史に思いを馳せつつ、応援しましょう。

Number PLUS 中山雅史と日本サッカーの20年

03 /13 2013

Sports Graphic Number PLUS 完全保存版 中山雅史と日本サッカーの20年Sports Graphic Number PLUS 完全保存版 中山雅史と日本サッカーの20年
(2013/02/14)
不明

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俺が中1か中2の頃だった。
Jリーグが発足した。

小3の頃からサッカーをやってはいたが、田舎である俺の地元では、ダイレクトにJリーグの熱狂を感じることも出来ず、というより、自分たちの弱小サッカーチームを強くするとことに必死だった。
見ることより、プレーすることに夢中だった。
それでももちろん、ドーハの悲劇に涙し、ジョホールバルの歓喜に喜び、着実に根付いていく日本のサッカー文化に熱中した。

Jリーグの発足、スーパースターKAZUの出現、ドーハ、初のW杯出場、日韓W杯、そして海外のリーグへと飛び出していく選手たち。
W杯出場は当たり前となり、インテルやマンチェスターユナイテッドというビッグクラブで活躍する選手も出てきた。
子供の頃には想像だにしなかった、W杯優勝という夢を夢見ることができるようになった。

そんな時代にいちサッカープレイヤーとして生きていることは、本当に幸運だと思う。
特にドーハの悲劇からフランスW杯までというのは、日本サッカーにとって特別な時期だった。
あの頃の日本代表がもつ独特な一体感。
時代の扉を開いてやろうという気概をビシビシ感じた。

そんな時期、常に日本サッカー界の中心にいつづけた男、中山雅史が引退した。
いや、ご存知の通り「引退」という言葉は一切使わず、「未練タラタラです!」と復帰の可能性も語った。
この上なく明るくこの上なく熱い男、中山と日本サッカーの20年がこの『Sports Graphic Number PLUS 完全保存版 中山雅史と日本サッカーの20年』にまとめられている。

改めて中山の達成した偉業に驚く。
Jリーグ通算最多得点、Jリーグ年間最多得点、Jリーグ1試合最多得点、最多連続ハットトリック、J1最年長出場、Jリーグ得点王2回、MVP、ベストイレブン、そして日本初のW杯得点者。
まぎれもなく記録に残るストライカーであるが、記憶に残るストライカーであることも、誰も異論はないだろう。
明るいキャラクターに熱い魂、最後まで諦めず奇跡のゴールをもぎ取る姿も見せてくれた。

そして、ケガとの闘いの壮絶さにも驚かされる。
キャリア後半は、決して鋭い動きとは言えず「中山終わったなあ」なんて思ったもんだが、もはや日常生活もまともに送れないような膝の状態だったとは。
それでも決して諦めず、熱は冷めず、プレイするために格闘した。

中田英寿からは「テクニックやスピードはトップレベルと言いがたい」と評されるが、そんな選手の格闘の歴史こそが偉業である。
日本サッカー界の歴史の残るストライカーのそんな偉業は、中山雅史の背中は、その後の日本サッカーを牽引する後輩を育て、草サッカーを楽しむ俺たちに希望を与えてくれた。

ありがとう、そしてお疲れさまでした。

考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか?

02 /23 2013

考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? (角川oneテーマ21 A 114)考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? (角川oneテーマ21 A 114)
(2010/04/10)
イビチャ・オシム

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図書館でふと目についたので、初のオシム本、手に取ってみた。

日本代表監督を退いた後、2012年の南アフリカW杯を目指す岡田ジャパン、ひいては日本サッカー界への提言というかたちで書かれている。
前半は、まさにその時期の日本代表におくる言葉であるため、今読むと古くさい印象。当たり前だが。
だがしかし、後半は哲学者オシムの真骨頂が発揮されていて、非常に興味深い。

オシムが日本に来てくれたことに、本当に感謝したくなる。
だが一方で、もしあのとき、最後までオシムが日本代表監督を続けていれば…。
そんな思いを持ってしまう一冊であった。

「足に魂こめました」 カズが語った[三浦知良]

12 /15 2012

「足に魂こめました」 カズが語った[三浦知良] (文春文庫)「足に魂こめました」 カズが語った[三浦知良] (文春文庫)
(2012/11/09)
一志 治夫

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後にドーハの悲劇へと続く、アメリカW杯アジア一次予選突破までのカズを描いたノンフィクション。
約20年の時を経ての文庫化です。

カズと言えば、15歳の時に単身ブラジルへ乗り込み、見事プロの舞台を勝ち取ったことで有名ですが、その時代のことも書かれています。
幼少期にブラジルのサッカーに魅せられたカズは、テクニックはあったけども、身体能力は決して高いものではなく、ブラジルでの成功などとても考えられなかったそう。
しかし、苛酷な環境に耐え、苛酷な遠征に耐え、成功に至ります。
一度はあきらめて日本に帰る決意をしたそうですが、片足がないのに楽しそうにボールを追いかける子供を見て、もう一度奮起し、プロとしての成功をつかみます。

あとがきで著者も書いているとおり、取材不足や突っ込み不足もあります。
なにより、無名のサッカー少年の、遠いブラジルの地での記録など、充分に残っているはずもありません。
よって、“点”の描写であり、点と点をつなぐ“線”の物語にはなっていません。
ブラジルでの必死の努力がありありと描写されているかというと、そうではない。
しかし、決して才能にめぐまれたわけではないサッカー少年が、王国ブラジルでプロになるまでに積み重ねたであろう努力に思いを馳せるのには、充分に貴重な資料でした。

文庫化にあたって加筆されたあとがきでは、いまなおプロとして活躍するカズの努力が記されます。
徹底的な食事管理など、努力の描写としてはこちらの方が凄まじく伝わってきます。
そんなカズが語る「一日一日を大事に過ごすことの大事さ」はまさしく金言。
大事なのはプロセスであり、今なのだと。

察知力

02 /13 2011
元日本代表、中村俊輔の著書「察知力」を読む。
この本は、ただ一つのことしか言っていない。

「察知力を磨け」と。

そういうタイトルの本だから、当たり前なんだが、本当にそれだけなのである。
その時の状況を察知し、課題を見つけ、クリアし、引き出しを増やし、ステップアップするんだと。

彼を前へ推し進めてきたそのたった一つの教訓を、彼のサッカー人生の歴史とともに、多少の表現を変えてはいるが、延々と紹介するというものだ。
その教訓自体もなんら当たり前のことである。

幅広い層へと読んでもらいたいのだろう、サッカーファンであれば常識であることも、ちょくちょく説明が入ってくる。それに加え、同じ教訓をずっと言い続けてくるものだから、正直退屈であった。

その文面からは、彼のサッカーに対する真面目さがにじみ出ている。
その真面目な態度で、教訓を実践し、ずっとサッカーに取り組んできたのだろう。
勝ちからも負けからも常に何かを学び、さらに向上するために海外へ飛び出す。
察知し、課題を設定し、クリアし、階段を上り、また察知する。
愚直なまでのサッカーへの取り組みが、そこには記されている。

中村俊輔といえば、悲運のサッカー選手というイメージがある。
サッカー選手であれば誰もがそれを目標に置くであろう、ワールドカップに振られ続けた男である。
2002年の日韓W杯では、直前の親善試合で活躍するものの、代表落選。
2006年のドイツW杯では、体調不良でプレーに精彩を欠く。スタメンはずしをジーコ監督に直訴するほどの状況であったが、使われ続け、日本敗退の一因を担ってしまう。
2010年の南アフリカでは、キャリアもピークを迎え、中心選手としての活躍を期待されるも、ケガによりコンディション調整がうまくいかず、わずかばかりの出場時間に終わってしまう。

そんな彼のサッカー人生思い浮かべると、何度も何度も繰り返される教訓は、その厳しい現実を俺に突き付けてくる。
そんなに真面目にやっても、W杯で結果だせねーんじゃダメじゃねーか、と一蹴できるだろうか。
いや、出来るはずがない。
俺はといえば、当たり前の教訓も実践できず、日々ぼやいているダメリーマンである。
そんな俺が、肝心な時に結果がでないからと言って、常に前へ前へと向かっている人間を一蹴できるだろうか。いや、出来るはずもない。
そう、彼は彼の人生という教訓を、強く俺たちに提示してくれているのだ。

3度のワールドカップに振られ続けた男、中村俊輔。
そんな彼に、サッカーの神様は素敵なプレゼントを用意しているのかもしれない。
この本を読むと、そう思わずにはいられないのだ。


察知力 (幻冬舎新書)察知力 (幻冬舎新書)
(2008/05)
中村 俊輔

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